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「墓じまい」の費用と手続きの進め方 跡継ぎがいない時代の新しい供養の考え方

更新日:2026.01.26 コラム

少子高齢化が進み、おひとり様世帯が増える現代。お墓の管理や継承について不安を感じる方が増えています。「この先もお墓を守り続けられるだろうか」「子どもに負担をかけたくない」「遠方のお墓の管理が難しい」――こうした悩みは、決して珍しいものではありません。

こうした背景から注目されているのが「墓じまい」です。墓じまいは、お墓を撤去して遺骨を別の場所へ移すことですが、先祖を軽んじる行為ではありません。むしろ、時代や家族状況に合わせて、供養の形を見直す前向きな選択といえるでしょう。

この記事では、墓じまいの基本的な考え方から、費用の目安、手続きの流れ、そして新しい供養の選択肢までを分かりやすく解説します。

墓じまいとは?

墓じまいとは、現在あるお墓を撤去し、遺骨を別の場所へ移すことを指します。ただし、これは単に「お墓をなくす」ということではありません。

墓じまいの本質は、「今の形では管理が難しくなったお墓を、維持しやすい形の供養へと変えること」です。先祖への敬意を持ちながら、現実的に継続できる供養の方法を選ぶ、前向きな決断といえます。

墓じまいにかかる費用の目安

墓じまいには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。状況によって異なりますが、一般的な目安をご紹介します。

墓石撤去費用

お墓の石を撤去し、更地に戻す工事の費用です。墓石の大きさや墓地の立地条件(山の上、重機が入れない場所など)によって変わりますが、一般的には1平方メートルあたり10万円〜15万円程度が目安です。

例えば、1.5平方メートルのお墓であれば、15万円〜20万円程度。2平方メートルを超える大きなお墓では、30万円以上かかることもあります。立地が悪く、手作業が必要な場合は、さらに高額になる可能性があります。

閉眼供養・開眼供養の費用

墓じまいの際には、お墓から魂を抜く「閉眼供養(へいがんくよう)」という儀式を行うのが一般的です。また、遺骨を新しい場所へ移した後には、「開眼供養(かいげんくよう)」を行うこともあります。

これらの法要では、僧侶へのお布施が必要です。宗派や地域によって異なりますが、閉眼供養で3万円〜10万円程度が目安です。菩提寺(ぼだいじ:先祖代々お世話になっているお寺)がある場合は、これまでの感謝の気持ちも込めて、やや多めにお渡しすることもあります。

改葬先にかかる費用

遺骨を移す先によって、費用は大きく異なります。

  • 永代供養墓:10万円〜50万円程度
  • 樹木葬:20万円〜80万円程度
  • 納骨堂:30万円〜100万円程度
  • 散骨:5万円〜30万円程度

これらは一般的な目安であり、場所やサービス内容によって幅があります。

事前に見積もりを取る重要性

墓じまいの総額は、状況によって大きく変わります。そのため、石材店や寺院、新しい供養先など、それぞれから事前に見積もりを取ることが大切です。「思っていたより高額だった」という事態を避けるためにも、複数の業者に相談し、比較検討することをおすすめします。

墓じまいの手続きの流れ

墓じまいは、感情的にも手続き的にも、慎重に進める必要があります。基本的な流れを見ていきましょう。

1. 親族・寺院との相談

まず、最も大切なのは、家族や親族との話し合いです。お墓は先祖を祀る場所ですから、関係者全員が納得した上で進めることが重要です。特に、兄弟姉妹や親戚がいる場合は、事前にしっかりと説明し、理解を得ておきましょう。

また、菩提寺がある場合は、住職への相談も欠かせません。お寺によっては、墓じまいに対して理解を示してくれるところもあれば、離檀料(りだんりょう:寺との関係を終える際のお礼)を求められることもあります。トラブルを避けるためにも、誠実に相談することが大切です。

2. 改葬許可申請

遺骨を別の場所へ移すには、法律上、「改葬許可証」が必要です。これは、現在お墓がある市区町村の役所で申請します。

必要な書類は、一般的に以下の通りです。

  • 改葬許可申請書(役所で入手)
  • 埋蔵証明書(現在のお墓がある墓地管理者に発行してもらう)
  • 受入証明書(新しい納骨先に発行してもらう)
  • 本人確認書類

書類が揃えば、役所で審査を受け、問題がなければ改葬許可証が交付されます。この許可証がないと、正式に遺骨を移すことができませんので、必ず取得しましょう。

3. 遺骨の移動

改葬許可証を受け取ったら、閉眼供養を行い、遺骨を取り出します。遺骨の取り出しや運搬は、石材店や専門業者に依頼するのが一般的です。特に、複数の遺骨がある場合や、骨壺が古くなっている場合は、専門家に任せる方が安心です。

遺骨を新しい納骨先へ運び、納骨が完了したら、改葬許可証を納骨先へ提出します。これで、法律上の手続きは完了です。

供養の新しい選択肢

墓じまいをした後、遺骨をどこへ移すかは、大きな選択です。近年では、従来のお墓とは異なる、様々な供養の形が選ばれています。

永代供養墓

永代供養墓(えいたいくようぼ)は、お寺や霊園が、遺族に代わって永代にわたって管理・供養してくれるお墓です。

特徴:個別の墓石を持たず、他の方と一緒に納骨されることが多いため、費用を抑えられます。管理の手間がかからず、跡継ぎがいない方に適しています。

樹木葬

樹木葬は、墓石の代わりに樹木を墓標とする、自然に還る形の供養です。

特徴:自然志向の方に人気があり、「土に還りたい」という希望を叶えられます。花や木々に囲まれた明るい雰囲気が特徴です。

納骨堂

納骨堂は、屋内の施設に遺骨を納める形の供養です。ロッカー式、仏壇式、自動搬送式など、様々なタイプがあります。

特徴:天候に左右されずお参りでき、交通の便が良い場所にあることが多いため、都市部で選ばれやすい選択肢です。

散骨

遺骨を粉末状にして、海や山に撒く供養方法です。

特徴:「お墓を持たない」という選択肢で、自然に還ることができます。ただし、法律やマナーを守った適切な方法で行う必要があります。

それぞれの選択肢には、メリットと特徴があります。故人の意思や、残された家族の考え方、経済状況などを総合的に考えて、最も合った形を選ぶことが大切です。

まとめ

墓じまいは、決して「後ろ向きな整理」ではありません。むしろ、将来への備えとして、責任を持って供養の形を見直す前向きな行動です。

  • 墓じまいは「供養の形を見直すこと」
  • 費用は状況によって異なるため、事前の見積もりが重要
  • 手続きは親族・寺院との相談から始まり、改葬許可申請を経て進める
  • 永代供養墓、樹木葬、納骨堂など、多様な選択肢がある

早めに考え、話し合うことで家族の負担を減らすことができます。不安がある場合は、石材店や寺院、終活の専門家などに相談しながら進めると安心です。

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