相続のしくみ『法定相続分・遺留分』

更新日：2020.06.02 ブログ

各法定相続人については、相続順位ごとに民法において相続割合が定められています。これを、『法定相続分』といいます。

これに対して、被相続人は遺言で各相続人の相続分を定めることができます。このようにして定められた相続分を『指定相続分』といいます。

実際の遺産分割は、遺言での指定や遺産分割協議などによって行われます。

遺産の中には不動産などのように分割が困難な財産が含まれる財産種類などによって分割割合が左右されることもあるため、法定相続分どおり分割になるとは限りません。

『法定相続分』は遺産分割協議を行う際の目安とされたり、相続税の計算基礎として使われます。

上記のとおり、被相続人は遺言によって自分の財産を自由に処分することができますが、これは無制限に認められているわけではありません。

法定相続人には、遺族の生活保障という観点から、法律により相続財産の一定割合が留保されています。これを、『遺留分』といいます。

『遺留分』の割合の目安は、各相続人の『法定相続分』の1/2となります。

相続人が直系尊属のみの場合は『法定相続分』は1/3で、兄弟姉妹には遺留分の権利はありません。

被相続人がこれを侵害するような遺言を行った場合には、遺留分権利者は遺留分の侵害額請求の申立てを行うことができます。

遺留分は家庭裁判所の許可を受けることによって相続開始前でも放棄することができますが、法定相続人のうちの一人が遺留分の放棄を行った場合でも、そのことによって他の遺留分権利者の遺留分が増えることはありません。

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