更新日:2020.05.20 ブログ
『相続』について話題を振ると、多くの人は「我が家はそんなお金を持っているわけではないから相続問題なんてありえないよ」とか「両親が亡くなっても、兄弟同士仲がいいから揉め事なんて起きないよ」という反応を示します。
しかし、現実は本当にそうでしょうか?
家庭裁判所の調停・審判に至った遺産分割事件の【財産額】のデータを見ると、件数ベースで財産額5,000万円以下のケースは合計で約75%を占めています。
10件中7~8件が5,000万円以下の財産額で争っているということになります。
自宅の家・土地と若干の現預金などの金融資産を持っていれば、5,000万円近くの財産を保有している人は少なくないでしょう。
しかも、相当こじれたケースだけが家庭裁判所に持ち込まれていることを考えれば、これらは「氷山の一角」であり、争族は資産数十億円という家庭の問題ではない、ということが言えそうです。
調停・審判に至った遺産分割事件の【当事者数】のデータを見てみると、当事者4人以下が65%超となっています。
ここから推測すると、相続人が親と複数の子供。子供である兄弟のみ。というケースなど、極めて少ない人数・近しい親族であっても争族になっていることがうかがえます。
相続人には、配偶者以外では一定の血族関係者がなりますが、実際の相続の現場では相続人同士が相続まで長い間接点がなかったという希薄な家族関係や、相続人には該当しないその配偶者や近親者の思惑や発言・行動なども絡み、問題を複雑化させることも多いのです。
これもまた、いずれのご家族にとっても起こり得る事態です。
争族としないためには、やはり事前対策がかなり有効な手段となってきます。
「我が家は大丈夫!」という前に、一度専門家に相談してみることをおすすめします。仲のいい家族が将来争族に巻き込まれないように。